歯並び・口臭・その他

歯並びについて

きれいな歯並びをしていることにより色々な利点があります。

  • よく噛めるようになる。
  • 顔の形や表情が美しくなる。
  • 健康な歯ぐきや骨をつくる。
  • 正しい発音ができるようになる。

また、体全体をよい方向へ発育、成長させます。歯並びを治す治療方法としては、矯正治療があります。矯正治療は、本人の「治したい」という意志とご家族の協力が必要です。治療期間も長く、矯正治療の開始時期も患者さんそれぞれに適切な時期があり、一概にこの時期とは決められません。例えば、乳歯しか生えてない時期でも、出来るだけ早く治療を必要とする場合もあれば、永久歯に全部生え変わってから一度に治療した方がよい場合もあります。何歳のときでも、おかしいなと思ったら矯正専門医に相談し、受診するのが最良の方法といえるでしょう。また、歯ぐきの健康な人なら、何歳になっても矯正をすることができます。また、歯磨きや食事にも気を遣い、担当医の指示通り装置を取りつけたりしなければ治療は予定通りに進みません。患者さんと担当医が協力して一緒に治していくものです。治療を始める前に費用や期間、装置について等わからないことは全て確認していきましょう。一生、自分の歯でかめることは大きな幸せです。

歯列不正の症例写真

矯正

開咬

下顎前突

上顎前突

口臭について

皆さんは口臭が気になったことがありますか? コミュニケーションの機会が増大し、対人関係が密になった現代社会においては、「体臭」や「口臭」といった「臭い」に関心がいくことは無理からぬことかもしれません。 口臭の原因にはいろいろ考えられますが、原因を正確に把握しこれを完全に除去すれば口臭はなくすことができます。したがって体臭のような体質由来の不治のものと考えてあきらめることはありませんし、逆に軽く考えているとその裏に潜む大きな病気を見過ごすことにもなりかねません。ここでは口臭の原因とその対処法について少しお話します。

(1)タマネギ、ニンニクなどの臭いのきつい食べ物を食べた

これは、採り込まれた食べ物の臭いの成分が血流によって肺に運ばれ、ここで体外に放出されるため発生します。食べたものが体から完全に放出されるまで続きます。

(2)口の中の清掃が不完全である

食べカスが歯や舌や歯と歯の間の歯肉に残っていると、そこに細菌が集まり、臭いの原因である物質を産生します。特に入れ歯などが入っている場合は入れ歯が温床となります。きちんと清掃できるようになると臭いも消えます。

(3)歯周病に罹患している

(2)でお話した清掃がきちんとできても臭いが気になる場合、それは歯周病にかかっている可能性が疑われます。速やかに歯科医に診せてお口の状態を検査してもらいましょう。歯周病は口臭の原因となるばかりか、歯肉や歯槽骨などの組織を破壊する恐ろしい病気です。

(4)唾液の分泌量の低下(ドライマウス)

唾液の分泌量が減少すると、唾液による自浄効果も落ちるため臭いが発生する原因となります。唾液の分泌量の低下は、唾液腺の病気や常用している薬(降圧剤、精神安定剤など)が原因となる場合もあります。速やかに歯科医師に相談することをおすすめします。人工唾液を用いたり、シュガーレスのキャンディを使えば、不足した唾液を補ったり、分泌を促したりもできますが、唾液の分泌量が低下していると感じたら、お茶や水を口に含み乾きを潤すようにするだけでも効果はあります。川も水量が多くよく流れていれば、水はきれいですが、水量が不十分でかつ流れが滞っている時は汚くなるものです。

(5)喫煙

タバコのタールはステインとなって歯に沈着します。また喫煙者は歯周病にかかりやすく、治りにくいことが判明し、喫煙と歯周病の因果関係が明らかになりつつあります。タバコ自身の臭いと歯周病により口臭が発現します。喫煙は百害あって一利なしです。

(6)口腔領域以外の原因

呼吸器系の疾患、蓄膿症、慢性気管支炎、糖尿病、胃腸の病気、肝臓や腎臓の疾患も口臭の原因となります。口腔領域に臭いの原因が見つからない場合は、かかりつけの医師に相談しましょう。

ホワイトニングについて

最近、歯冠の色調を自然な色に改善したい、あるいは回復したいという要望が非常に多くなってきたため、修復材料として従来の金属主体からセラミックス、高分子材料の使用頻度が多くなってきました。しかしこれらの審美的な材料を使っても、修復処置は歯質の削除という組織への致命的な侵襲なくしては成り立ちません。むし歯や打撲などによって硬組織の実質欠損がすでにある場合はまだしも、歯質の色調が悪いというだけの理由で健全な歯質を削除することは適当でないと考えます。しかし一方で患者の歯冠色調に対する自然色志向は年々高まるばかりです。このような事情を背景にここ数年ホワイトニング(ブリーチング、歯の漂白)という方法が脚光を浴びるようになりました。「明眸皓歯」とか「目元千両口元万両」といわれるように、白く美しい歯やそんな歯がこぼれる口元は、昔も人々のあこがれであったのかもしれません。ホワイトニングとは薬液でもって歯冠色調を改善する方法で、『切削→修復』という方法を採らないため歯質へのダメージは圧倒的に少なくてすみます。もちろん生活歯にも適用が可能です。この2点が大きな特徴です。 ホワイトニングを大別するとオフィスホワイトニングとホームホワイトニングがあります。

(1)オフィスホワイトニング

一般的な治療と同様に、診療室内で行います。比較的濃度の高い過酸化水素(30~35%)を含む薬液を歯面に塗布して行います。短期間で色調の改善がみられますが、元に戻りやすいことが指摘されています。また、薬液が高濃度のため粘膜や舌に接触させることもできません。このため、ホワイトニング出来る部位が限られてしまいます。

(2)ホームホワイトニング

歯科医師の指導に従って、患者自身が自宅で行います。比較的低濃度で安全性の高い過酸化尿素(10~15%)をゲル状にした薬液を歯型(マウスガード、図1)に流し込んで、一定時間装着して行います。効果が現れるのに数週間から1ヶ月程度はかかります。しかし、オフィスホワイトニングと異なり白濁のない透明感のある自然の色調を得ることができます。またオフィスホワイトニングほど短期間で元に戻るということはありません。しかし歯科医師ではなく患者自身が家で行うため安全性の面で不安が残ります。

★こんな人はご注意を!
・ホワイトニングする歯に冷たいものがしみる
・削られていたり、磨り減ったりしている
・妊娠または授乳中の女性

歯の色に対する絶対的な基準はありません。あなたの思っていた色と歯科医師のそれとが微妙に違うことも十分考えられます。術前には歯科医師と十分な話し合いの時間を持ち、術中の経過もよく観察して下さい。

ドライマウスについて

唾液の分泌量が少なくなって口の中が乾燥する病気をドライマウス(口腔乾燥症)といいます。唾液の分泌量が減少すると、むし歯や歯周病にも罹患し易くなり、進行も早くなります。また灼熱感、痛みを感じたり、味覚異常や口臭が発現することもあります。以下に原因についてまとめました。専門科に受診して原因を見つけ、治療していくことが大切です。原因によってはかかりつけの医科の先生にも相談することをお勧めします。

【全身的要因】

・代謝異常(糖尿病など)・内分泌異常(甲状腺機能亢進症など)・貧血

【局所的要因】

・唾液腺の炎症(シェーグレン症候群、ミクリッツ病など)・唾石

【その他の要因】

・栄養障害 ・薬物(精神安定剤、向精神薬、利尿剤、降圧剤など)・加齢による唾液腺の萎縮

再石灰化について

歯を構成しているカルシウムやリンなどのミネラル分が酸によって歯から溶け出し、これを繰り返すとむし歯になります。しかし、お口のなかには唾液中のカルシウムやリンを取り込み沈着させて元に戻す働きがあり、これを再石灰化といいます。 再石灰化にはフッ素が大きな役割をはたしていて、この元に戻る働きを促進するのに役立っています。お口の中では、この脱灰と再石灰化が常に起こっています。その為、だらだら食いや間食が多いとむし歯になりやすい脱灰の状態が長くなり、むし歯になりやすくなります。図1のようにベットリついた歯垢をよく拭って見ると、図2のような歯ぐきに近い所が白くなっています。これが初期むし歯です。穴になっていないこの段階では、上手な歯磨きやフッ素を利用したり、間食を控えることにより再石灰化が促進され、図3のような健康な歯の表面に戻ります。

図1

食事をとると、歯の表面についた歯垢(プラーク)の中のむし歯菌が、砂糖などを利用して酸をつくります。

図2

そのため食後約20分間は歯のエナメル質が溶かされる脱灰という状態になります。(初期むし歯の始まりです)

図3

しかし、唾液の働きにより40~60分ほどで歯の表面の酸性度がもとの状態(中性)に戻ります、そうすると一度溶かされたカルシウムやリンが歯の表面に戻っていきます。これが再石灰化です。