平成31年4月4日(木)、歯科医師会館にて平成31年度新規事業である「歯科衛生士離職防止講習会」が開催されました。
昨今の歯科衛生士は、診療所等における疾患への対応のみならず、医科歯科連携のチーム医療や在宅歯科診療等において他の職種との橋渡しを行うコーディネーターとしての役割も期待されており、歯科衛生士への需要は増すばかりとなっています。しかしながら、就業している歯科衛生士数は、免許保有者の5割弱に止まっているため、依然として歯科医院における歯科衛生士の不足は深刻な状況となっています。
そこで、本会では、歯科衛生士の人材確保や離職防止の施策・手法について、雇用主たる歯科医師の皆様に十分にご理解を深めて頂くため、今回初めてこの講習会を開催いたしました。
講演では、西川社会保険労務士から、歯科衛生士の雇用にあたり、まず労働条件を明確にしておくことの重要性や、労働時間や休暇の法的な意義について主に説明がありました。次に下重教育担当理事からは、データから見ると、歯科衛生士は出産・育児を契機に離職してしまうことが多く、その後に復職させるためにはパートタイム勤務など、ライフスタイルに適合した柔軟な労働条件の提示が必要ではないか、との指摘がありました。講演最後の井上副会長からは、昨今増加傾向にある歯科衛生士が関連する診療報酬項目について一連の説明があり、また、ご自身の歯科医院経営の経験を踏まえた雇用継続の秘訣について話題がありました。
なお、本会では歯科衛生士の復職支援事業等について、ホームページの「歯科衛生士復職支援」コーナーに随時掲載いたします。是非ご高覧ください。
講演内容
(1)「歯科衛生士を雇用するために必要な労働条件について」 西川治利 社会保険労務士
(2)「最近の歯科衛生士学校学生の就職意識、離職者の現状、復職に必要な支援について」 下重千恵子 教育担当理事
(3)「診療報酬と歯科衛生士の雇用について」(施設基準、保険点数ほか) 井上恵司 副会長
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