離職中の歯科衛生士のための「復職支援研修会」(基礎コース第1期)が開催されました
令和元年7月20(土)、21日(日)の両日、東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校にて、今年度の新規事業として、離職中の歯科衛生士のための「復職支援研修会」(第1期)が開催されました。
歯科衛生士は、結婚や育児のため離職したり、歯科医院の勤務条件や人間関係を理由に他の業界へ転職したりするケースがあります。この度の研修会では、そうした暫く歯科医療の現場を離れていた歯科衛生士が、講義において最近の歯科事情について学び、また実習を併せて行なうことで、復職に不安なく踏み出せるよう充実した内容で実施されました。
まず始めに、日本歯科大学東京短期大学歯科衛生学科非常勤講師の小森朋栄先生は、「歯周治療の現状と歯科衛生士の役割」という講演テーマで、歯科衛生士に求められる歯周治療の流れを復習した後、顎模型上でプロービング、スケーリング・ルートプレーニングの基本技術の確認、さらにユニットでの相互実習も行ないました。
次に、日本歯科大学生命歯学部歯科補綴学第2講座教授の五味治徳先生からは、「最近の歯冠補綴装置と装着材料 -補綴装置装着のポイント-」というテーマで、最近増えてきたレジンやセラミックスなどのメタルフリー材料について、様々な材料を正しく使用し、臨床におけるトラブルを防止しつつ歯科診療補助を行なうことができるよう、歯冠補綴装置と装着材料の最新情報のご講演をしていただきました。
日本歯科大学生命歯学部口腔外科学講座講師の北原和樹先生からは、「歯科衛生士が知っておくべき感染対策」というテーマで、器具の滅菌・消毒、手洗いを含めた院内感染対策の重要性と、歯科診療の準備、実施、補助、片付けなど全ての場面に携わる歯科衛生士こそが感染対策の中心的役割であることをご講演していただきました。
また、本会附属歯科衛生士専門学校教員の石井実和子教務主任は、歯周病患者への指導、印象・石膏注入、セメント練和、口腔内カメラの使用法の講義・実習を担当いたしました。
加えて、本研修会では、希望者に対して、就職相談や歯科医院での臨床見学の日程調整も実施しました。
今後、本会ではこうした研修会の開催により、就業している歯科衛生士数が免許保有者の5割弱に止まっているとされる状況を少しでも改善していきたいと考えています。
(久しぶりに行なった実習の様子)